歴史ある銘醸地
オーストリアと聞いて”ワイン”を真っ先に思い浮かべる人は少ないと思います。
でも、実はワインの銘醸地。
その歴史は古く、ブドウ栽培の最古の痕跡は、紀元前700年頃のものと思われるブドウの種がオーストリア南部のブルゲンラント州で発見されています。
その後、10世紀から12世紀にかけて、修道士によってブルゴーニュのワイン文化が伝わったとされています。ちょうどその頃、首都ウィーンでもブドウ栽培が活発になり、現在では1万1000軒以上の生産者によって、地域の特性を反映した多彩なワインが生産されています。
主なブドウ品種
オーストリアでは白ブドウの栽培が約70%。
中でもグリューナーヴェルトリーナーという品種が圧倒的に多く、オーストリア全体の生産量の約30%を占めています。
そのほか、ヴェルシュリースリング、ロートギプフェラーといった土着品種や、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランのような国際品種も栽培されています。
黒ブドウでは、北海道でも生産されているツヴァイゲルトのほか、ブラウフレンキッシュ、ザンクト・ラウレントなど、こちらも土着品種が多く栽培されています。ちなみに、ツヴァイゲルトはブラウフレンキッシュとザンクト・ラウレントを交配させたものです。
ワインの特徴
白ワインは、個人的には軽快なタイプが多い印象です。特に辛口タイプは、ハーブや柑橘の爽快な香りがあり、すっきりとした味わいと心地よい酸味が特徴だと思います。
赤ワインは、タンニンが柔らかくフルーティーなものから、どっしりとした重厚なものまで様々ですが、私はブラウフレンキッシュのような、カシスやブルーベリー、ミントの香り、ザンクト・ラウレントのような黒系果実やスパイシーさの強いものに、オーストリアらしさを感じます。
ほとんどが地産地消
歴史もあって様々な品種も栽培されているオーストリア。
でも、日本のお店で目にする機会は少ないですよね。
それはなぜかというと、オーストリアは家族経営の小規模なワイナリーが多く、生産されたワインのほとんどが地元で消費されているからです。
なんと、生産量の約80%は国内消費。
それだけオーストリの人々に愛されているという証拠ですね。
皆さんもぜひ一度味わってみてください。